ITストラテジスト 科目A-2(午前II)攻略ガイド|出題傾向と効率学習法
科目A-2(午前II)とは
科目A-2は、ITストラテジスト試験の2番目の科目で、経営戦略・IT戦略に特化した四択問題です。科目A-1(応用情報技術者試験と共通範囲)と異なり、ITストラテジスト独自の専門領域から出題されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 40分(10:50〜11:30) |
| 出題数・解答数 | 出題25問・全問解答 |
| 形式 | 多肢選択式(四択) |
| 合格基準 | 60点以上(15問/25問正解が目安) |
| 出題範囲 | ストラテジ系(22〜23問)+情報セキュリティ(2〜3問) |
他の高度試験(NW、DB、SC等)の科目A-2と比べて、ITストラテジストは当該専門分野(ストラテジ系)の出題割合が圧倒的に高いのが特徴です。平成25年度まではセキュリティ問題は出題されませんでしたが、平成26年度から2〜3問が追加されています。
科目A-2を確実に突破すべき理由
科目A-2の通過率は87.8%(令和7年度春期)と、4科目の中で最も高い数字です。しかし、この科目には足切りの役割があります。科目A-2で基準点に達しないと、その後の科目B-1・科目B-2は採点すらされません。
| 科目 | 通過率(令和7年度春期) |
|---|---|
| 科目A-2(旧午前II) | 87.8% |
| 科目B-1(旧午後I) | 62.0% |
| 科目B-2(旧午後II) | 33.9% |
87.8%は高く見えますが、受験者4,608人のうち563人がこの科目で脱落しています。科目B対策に何十時間もかけても、科目A-2で基準点を割れば全てが水の泡です。
一方で、後述する通り過去問の再出題率が高いため、適切に対策すれば確実に通過できる科目でもあります。ここを早期にクリアして、最大の壁である科目B-2(論述式・通過率33.9%)の対策に時間を集中させるのが合格への近道です。
メモ: 科目A-2は「難しい試験」ではなく「準備しないと落ちる試験」です。正しいアプローチで演習すれば、確実に通過できます。
過去問の再出題率
科目A-2の最大の特徴は、過去問からの再出題率が非常に高いことです。ストラテジ系22問の出題パターンを分析すると、以下のような内訳になります。
| 出題パターン | 問数(目安) | 特徴 |
|---|---|---|
| 過去問と同一 | 8〜10問 | 過去に出題された問題がそのまま再出題 |
| 類似・応用 | 4〜5問 | 過去問の知識があれば正解できる |
| 一般常識 | 3〜4問 | ビジネス一般常識で対応可能 |
| 新規出題 | 3〜4問 | 過去問だけでは対応しにくい |
**全体の6〜7割が「過去問と同じ問題」または「過去問の知識で解ける問題」**です。合格ライン60%(15問正解)に対して、過去問を押さえるだけで12〜15問は正解に到達できる計算です。
なお、古すぎる問題の再出題は減少傾向にあり、近年の再出題元は概ね直近5~10年分に集中しています。
メモ: 前回出題の問題は再出題されないことが暗黙のルールになっています。2年前の問題から重点的に学習しましょう。
出題ジャンルの全体像
25問の出題ジャンルを分類すると、以下のような分布になります。IT戦略・経営戦略・マーケティングの3ジャンルだけで全体の6割以上を占めるため、ここを重点的に押さえるのが効率的です。
| ジャンル | 25問中の目安 | 代表的なキーワード |
|---|---|---|
| IT戦略・情報戦略・企画 | 7〜9問 | EA、共通フレーム、IT投資評価、RFP |
| 経営戦略・ビジネス戦略 | 4〜6問 | PPM、ファイブフォース、BSC、M&A |
| マーケティング | 2〜4問 | 4P/4C、LTV、キャズム、CRM |
| 財務・会計 | 2〜3問 | NPV、DCF、EVA、損益分岐点 |
| 生産管理・SCM・品質管理 | 1〜2問 | MRP、TOC、JIT、SCOR |
| 組織・人材・ナレッジ | 1〜2問 | SECIモデル、コンピテンシ |
| 法務・コンプライアンス | 1〜2問 | PL法、下請法、著作権法 |
| 新技術・DX | 1〜2問 | デザイン思考、APIエコノミー |
| 情報セキュリティ | 2〜3問 | SSO、暗号化、認証技術 |
近年の出題傾向の変化
2021年以降(春期移行後)、以下の変化が見られます。
- DX関連の増加: DFFT、レグテック、組み込み型金融、デジタルツインなど、新しい概念の出題が増加
- マーケティングの高度化: エスノグラフィー、サービスプロフィットチェーン、コーズリレーテッドマーケティングなど、従来の4P/4Cにとどまらない出題
- 経営戦略の新ワード: ダイナミック・ケイパビリティ、OKR、両利きの経営(Ambidexterity)など
- セキュリティは最小限: 2〜3問で安定し、深い専門知識は不要
過去問演習の進め方
なぜ過去問演習が最も効率的か
前述の通り、科目A-2は全体の6〜7割が過去問の知識で解けます。過去問を繰り返し解くことで、再出題問題を確実に正解できるだけでなく、頻出フレームワークの理解が深まり、初見の問題にも対応しやすくなります。
おすすめの演習ステップ
ステップ1: まず最新の1年分を通しで解く
時間を計って(40分)最新年度の25問を解きます。現時点の実力を把握し、弱いジャンルを特定しましょう。
ステップ3: 直近5〜8年分を反復演習
再出題元は直近10〜12年に集中しているため、直近5〜8年分を中心に繰り返し解きます。「なぜこの選択肢が正解(不正解)か」を説明できるレベルを目指しましょう。
ステップ4: 間違えた問題を集中的に復習
間違えた問題は理解が不十分なサインです。解説を読み込み、必要に応じて関連する概念も調べましょう。シカクテックのAIチャット機能を使えば、不明点をその場で質問できます。
目標スコア
合格ラインは60%(15問/25問)ですが、本番での緊張や初見問題を考慮して、過去問演習では75〜80%(19〜20問正解)の安定した正答率を目標にしましょう。このレベルに達したら、科目B対策にシフトして問題ありません。
メモ: 科目A-2に100点を目指す必要はありません。75〜80%で安定したら、すぐに科目B-1・B-2の対策に時間を振り向けましょう。合格のボトルネックは科目B-2(論述式・通過率33.9%)です。
学習スケジュールの目安
科目A-2は全体の学習時間の**10〜20%**に抑え、残りを科目B対策に充てるのが効率的です。
| 学習期間 | 科目A-2への配分 | 推奨アプローチ |
|---|---|---|
| 1ヶ月 | 全体の20% | 直近3〜5年分を集中演習。頻出ジャンル(IT戦略・経営戦略・マーケティング)を優先 |
| 2〜3ヶ月 | 全体の15% | 直近5〜8年分を演習。弱点ジャンルを補強し、計算問題も練習 |
| 4ヶ月以上 | 全体の10% | 全16年度分を周回。余裕があれば新技術・DX関連のキーワードもフォロー |
科目A-2は学習初期に集中して取り組み、「演習すれば安定して通過できる」状態を早く作ることが大切です。その後は科目B-1(記述式)と科目B-2(論述式)の対策に最大限の時間を確保しましょう。
メモ: 2026年度からCBT方式への移行が予定されています。科目A-2の出題形式・問題数・試験時間に変更はありません。CBTでは科目A-2の結果が即時に判明するため、基準点に達しているか確認した上で科目Bに臨めるようになります。
まとめ
科目A-2(旧午前II)は通過率87.8%と高いですが、563人が足切りで脱落している科目でもあります。確実に突破するためには
- 過去問演習の徹底: 6〜7割が過去問の知識で解ける。直近5〜8年分の反復演習で75〜80%の安定正答率を目指す
科目A-2を早期にクリアし、合格の最大の壁である科目B-2(論述式)の準備に最大限の時間を確保する。これがITストラテジスト試験合格への効率的な戦略です。
- 科目A-2(四択問題)の過去問演習 — 16年度分・400問の過去問で今すぐ演習
- 科目B-2(論述式)攻略ガイド — 合格の最大の壁を突破する方法
- ITストラテジスト試験の概要 — 試験全体の情報
この記事を書いた人
シカクネコ
情報処理技術者試験を中心に、IT・ビジネス系資格の学習法や試験対策についてわかりやすく発信しています。実際の受験経験をもとに、効率的な勉強法をお届けします。
取得資格