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X 銀行は,メインフレーム上で顧客情報,預金情報及び融資情報を管理するシステム(以下,基幹システムという)を利用してきた。
このたび,紙の帳票を回付していた融資りん議をペーパレス化するための融資りん議ワークフローシステム(以下,WF システムという)を,基幹システムとは別に新規に構築することにした。
(1)融資申込受付業務:顧客は,営業店の窓口に融資案件(以下,案件という)の申込書を提出する。申込書を受け付けた営業店(以下,担当営業店という)の担当者(以下,案件担当者という)は,基幹システムで案件番号を発番し,基幹システムの顧客番号とともに申込書に記載する。取引実績のない新規顧客の場合には,基幹システムで顧客番号を発番してから記載する。
(2)りん議書作成業務:案件担当者は,案件番号を発番した日を作成基準日としてりん議書を作成する。りん議書には,融資対象の顧客の担保不動産の評価データ(以下,担保明細という)を記載した不動産担保評価帳票を,不動産担保評価システム(以下,担保評価システムという)から出力して必ず添付する。資金使途及び返済財源を確認し,基幹システムにある信用格付,財務分析結果及び過去のりん議結果を調査し,必要な検討をした上で,案件情報をりん議書に記載する。りん議書には基幹システムと担保評価システム情報の情報も必要であり,りん議書を作成するために複数のシステムを操作する。
(3)りん議書回付業務:案件担当者は,業務規程に従い回付経路を記載した回付書を添付して,りん議書を承認者へ回付する。承認者はりん議書に対して意見を付し,承認又は差戻しの判断をする。承認されたりん議書は決裁者へ回付される。決裁者は案件担当者,承認者の意見を踏まえ,融資の決裁,却下,又は差戻しの判断をする。決裁者が決裁又は却下の判断をすると,りん議が完了する。承認者及び決裁者は,可能な限り最新の情報を基に判断をする。りん議書の修正が必要な場合,承認者又は決裁者は修正せずに案件担当者に差し戻した後,案件担当者がりん議書を修正して再度回付する。申込書を受け付けてからりん議書の回付の開始までの標準的な所要日数及び回付されてから承認及び決裁の判断までの標準的な所要日数を踏まえ,回付の開始,承認及び決裁の期限(以下,目標期日という)を定めている。
担保明細は必要に応じて評価替えしている。承認者及び決裁者は,判断の際に融資対象の顧客の担保明細が更新されていないか,担保評価システムの評価日を確認する。りん議書には最新の不動産担保評価帳票を添付する必要があるので,担保明細が更新されている場合は案件担当者に差し戻す。
融資希望金額が担当営業店の決裁可能金額を超える案件の場合,回付経路に担当営業店に加え本部が含まれる。担当営業店内での承認の後に本部に回付され,本部で承認・決裁される。
(1)融資申込の受付機能
顧客から受領した申込書を案件担当者が WF システムに取り込むと,WF システムは基幹システムから案件番号と顧客番号を取得し,案件データを作成して受付を完了する。この時点で案件ステータスは“受付”になる。WF システムは案件の進行状況をりん議の完了まで管理する。
(2)りん議書の作成機能
案件一覧画面で案件担当者が案件番号を選択すると,りん議書入力画面に遷移し,案件ステータスは“作成中”になる。りん議書入力画面の起動時に,WF システムは必要なデータを複数の既存システムから一括で取得し,WF システムに保存した後,りん議書入力画面に案件データとともに表示する。案件担当者は,必要に応じて不足している情報を入力し,りん議書を WF システムに保存する。
(3)りん議書の回付機能
案件担当者は,りん議書に回付経路を設定する。回付経路にはりん議書を処理する担当者(以下,回付先担当者という)の順番を定義する。回付経路の最初の回付先担当者には,案件担当者が自動的に設定される。最後の回付先担当者が決裁者,途中の回付先担当者は承認者になる。②ある条件を満たすりん議書の回付経路に本部の回付先担当者が含まれていない場合,WF システムは案件担当者に修正を要求する。
りん議書に対し,処理が求められている案件担当者又は回付先担当者を処理者という。
案件担当者が回付の開始の操作をすると案件ステータスは“回付中”となり,りん議書を修正できなくなる。回付経路に本部の回付先担当者が含まれている場合,WF システムは,顧客情報と融資期日を本部の回付先担当者に電子メールで通知する。
WF システムは,回付経路に沿ってりん議書を順次回付し,回付したことを次の処理者に電子メールで通知する。
承認者は,りん議書審査画面で WF システムに保存されたりん議書を閲覧し,承認又は差戻しの操作をする。承認者が承認の操作をすると WF システムはりん議書を次の回付先担当者に回付する。差戻しの操作をすると WF システムは案件担当者にりん議書を差し戻し,案件ステータスは“作成中”に戻り,案件担当者がりん議書を修正することができるようになる。
決裁者は,りん議書審査画面で WF システムに保存されたりん議書を閲覧し,決裁,却下又は差戻しの操作をする。決裁者が決裁の操作をすると案件ステータスは“決裁”になる。却下の操作をすると案件ステータスは“謝絶”になる。決裁者が差戻しの操作をした場合,WF システムは承認者が差戻しの操作をした時と同じ処理をする。
りん議書審査画面起動時には WF システムが担保評価システムに担保明細の最新情報を問い合わせる。担保評価情報の情報が,③ある条件に該当する場合,WF システムは承認者が差戻しの操作をした時と同じ処理をする。
(4)アラーム通知機能
WF システムは,顧客の信用格付の更新があったことや目標期日までの残り日数が 3 営業日以下になっていることを,処理者に通知する。
顧客の信用格付の更新があったことは,りん議書入力画面及びりん議書審査画面起動時に画面上で通知する。そのために,アラーム通知機能は,aにある最新の信用格付を問い合わせ,WF システムに保存した案件ファイルの信用格付と比較する。
目標期日までの残り日数が 3 営業日以下になっていることは,りん議書入力画面及びりん議書審査画面起動時に画面上で通知するだけでなく,日次で処理者に電子メールで通知する。
WF システムの主なファイルを表 1 に示す。
| ファイル | 主な属性(下線は主キーを示す) |
|---|---|
| 案件 | 案件番号,顧客番号,店番,融資希望金額,融資期日,融資期間,資金使途,返済財源,金利,貸出方法,返済方法,信用格付,財務分析番号,案件ステータス |
| 回付経路 | 案件番号,処理通番,回付先店番,回付先担当者,目標期日 |
| 案件状況管理 | 案件番号,処理通番,処理者,処理開始日時,処理開始時案件ステータス,処理完了日時,処理完了時案件ステータス,処理者判断,処理者意見 |
| 店 | 店番,店名,郵便番号,住所,決裁可能金額 |
| 財務分析 | 財務分析番号,決算年度,財務分析結果 |
| 担保評価 | 案件番号,担保明細番号,担保評価額,担保物件,評価日 |
本文中の下線①によって,ある業務の一部の作業が不要になる。不要になる作業を 30 字以内で述べよ。
〔WF システムの概要〕について,(1)~(4)に答えよ。
本文中の下線②の条件を表 1 中のファイル名と属性を用いて 40 字以内で述べよ。
本文中の下線③の条件を表 1 中のファイル名と属性を用いて 40 字以内で述べよ。
アラーム通知機能によって解決される現状の問題点は二つある。一つは,同一顧客の別案件の調査で確認した延滞発生などによる顧客の信用格付の変化に,案件担当者が即座に気付かないことである。もう一つの問題点を 25 字以内で述べよ。
aに入れる字句を 10 字以内で答えよ。
〔追加要望への対応〕について,本文中の下線④の条件は三つある。一つは“案件番号が当該案件の案件番号と異なること”である。他の二つの条件を,表 1 中の案件ファイルの属性を用いてそれぞれ 35 字以内で述べよ。